ADHDは現代病

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わたしはADHD説?

TwitterなどでADHD診断なるもので私はADHDではないのか思い込んでいる人がいいですが、今回はこの件について解説させてもらいます。
ADHD の人たちの特性の中で、物事を本当にギリギリのやばいところまで先延ばししてしまうとか、やるべきことがなかなかできないというところがあるので、納税を怠っていたことに対して ADHD なのではないかと騒がれたのかと思います。
実際は、ちゃんとした診断をしない限りは何とも言えません。
今回は ADHD の診断に使われるテストにどのような項目があるのかということと、そこからADHD である可能性がどれくらいあるのかというところまで考察させていただきます。あくまでご本人に確認したわけでもありませんので、参考までにしていただけたらと思います。

ADHDは現代病

そもそも ADHD というものは、最近だと子供で問題になることがよくありますが、科学的には現代病のひとつではないかと言われています。
特に現代では集中力などが人生で成功するために必要になってきているということもありますので、どうしても ADHD の人たちが思っている集中することができないとか、物事を先延ばしにしてしまうというような要素がネガティブな方向に働いてしまいがちです。それにより悩む人が大勢いるわけです。

例えば、皆さんもご存知だとは思いますが、ADHD の人の特徴としては衝動性が高かったり、じっとしていることができなかったり、うっかりしたミスが多い、先延ばしが多いなどですが、これらがあまりにも顕著に現れてしまうと、普通の仕事ができにくくなったり精神疾患の方向に進んでしまったりするということが分かっています。

そもそも ADHD の原因自体ははっきりとはわかっていませんが、一つだけ事実として分かっているのは、ここ十数年の間に大人の ADHD が増えているということがいわれています。
ですから、自分でも ADHD になっているということに気づかないで、自分を卑下したり辛い思いをしている人が結構多いということです。
もし自分が ADHD なのではないかと思ったら、それを決めつけるとかではなく、今回診断のための項目も紹介しますが、ちゃんとしたADHD のチェックを専門家にしてもらうというのはありだとは思います。それにより自己認識すれば対策を打つこともできます。

ADHD の自己診断スケール

WHO が ADHD の自己診断スケールというものを作ってくれています。この自己診断スケールは割と頻繁にアップデートされているものです。DSM-5という精神障害の診断や判断基準をまとめたものがあり、これは定期的にアップデートされています。その度に内容が変わるものですから常に最新のものを使うようにしていただきたいですが、まずは自己診断として参考にしていただいた上で、実際に専門家に相談するべきかどうかを考えるための一つの指標として使っていただけたらと思います。
WHO が作った自己診断スケールは六つの質問になっていて、この六つの質問にどれぐらい当てはまるかということで、ADHD の程度を判別することができるというものです。
たった六つの質問で診断することができるのかと考える人もいるかもしれませんが、マサチューセッツ工科大学やデューク大学の研究チームが、これによりちゃんと ADHD の患者の人を判別できるのかというチェックテストも行なっていて、それによると結構悪くない結果が出ています。
このテストは637人の男女を対象に、実際に専門家により ADHD と診断されている人がこの六つの傾向にどれくらい当てはまるかで正しく判別できるのかということを調べています。
その結果としては、一般的な人の場合は67%程度の確率で ADHD の人を判別することができ、すでに治療を受けていたりかなり重いレベルで ADHD だとされている人の場合は80%程度の確率で判別することができるということです。

ですから、六つの質問だけでセルフチェックが出来るという点においては使えるものではあります。セルフチェックして当てはまっているということであれば専門家に相談すればいいし、逆に、 ADHD かもと悩んでいたけれど意外と当てはまらないなというのであれば、専門家にかかる必要はないという判断ができるわけです。

自己診断に頼りすぎるのはあまり良くないとも思いますので、ここでは細かい判断基準は省かせてもらいますが、今から紹介する六つの質問全てに結構当てはまっていると感じた場合には、専門家にかかってみるのもいいかもしれません。
六つの質問の内三つぐらいしか当てはまらないということであれば、違うのかと考えればいいと思います。
あえてざっくりとした表現にしていますが、それでも心配な場合は専門家に相談するようにしてください。
WHO が出している ADHD の自己診断スケールには色々なバージョンがありますが、今回紹介するのは、Adult ADHD Self-Report Screening Scale for DSM-5 (ASRS-5)というものです。大人の ADHD をチェックするためのものですから18歳以上の方向けです。

WHO Adult ADHD Self-Report Screening Scale for DSM-5 (ASRS-5)

  • 目の前の人に話しかけられているにも関わらず、相手の言葉に集中できないことがある
  • 会議や講演など座っていなければいけない時に座っていられな出で立ってしまうことがある
  • 時間が余っているのにゆっくりリラックスすることができない
  • 他人と話しているときに相手の話が終わる前に自分の話をし始めてしまうことがある
  • 本当にギリギリの状態になるまで物事を先延ばしにしてしまう
  • 部屋の片付けや書類の整理など細かい作業をするにが苦手で、それらは他人に任せている

この全てに結構当てはまるということであれば、専門家に相談してみるのもいいとは思います。そんなに当てはまらないということであれば、おそらく ADHD ではないので大丈夫だろうということです。

ADHD の人はクリエイティビティが高い

このような話をすると、ADHD の人はもうどうしようもないのかと考える人もいますが、当然ですが、ADHD の人の特性を活かす才能や仕事というものはあります。
専門家の診断を受けているわけではないので断言はできませんが、クリエイティブな人は結構 ADHD の傾向が高いということが様々な研究でも言われてはいます。
ADHD の人ほどクリエイティビティが高いという研究があります。

以前から何度も紹介してきましたが、気が散りやすい人ほどクリエイティビティが高いというデータはかなりあります。集中とクリエイティブというものは真逆の性質ですから、集中できない人は一つのことをしている間にも色々なことを考えようになります。それにより偶然面白いアイデアを見つける可能性も出てくるわけです。
逆に、集中力が高すぎると、一点に集中しすぎることで周りが見えなくなり、意外な可能性を見つけることができなくなってしまいます。
ですから、ADHD で気が散りやすいからもうだめかと言うとそういうことではなく、仕事の仕方が大切になります。

ちなみに、ADHD テストを行うと私もややADHD となります。私は集中力はなかったし人の話を黙って聞けるタイプではありませんでしたので、幼い頃は親から相当心配された子供でした。そんな私でも今では一般的な人よりは集中力はかなりある方だとは思いますが、それは技術として見つけたからです。それができれば、集中する時とそうでない時を切り替えることができるようになりますので、集中していない時は思考が拡散します。それができればアイデアを生み出す時と集中する時を使い分けることができるようになります。
僕も普通の仕事や事務仕事をしようと思えばかなり辛いと思います。
他の人がすることができないのであれば、自分にしかできないことや他の人ができないことをやればいいということです。

実際に、ミシガン大学の研究でもADHD の人ほどクリエイティビティが高いという研究があります。
集中力のなさが創造性に繋がるのであれば、ADHD の人はとてもクリエイティブなのではないかということを調べようとしたものです。
実際に ADHD だと診断された男女26人を対象に、全員に変わったクリエイティブなフルーツの絵を描いて下さいとお願いし、それにより普通の人が描いたフルーツの絵と ADHD の人が描いたフルーツの絵を比べてみたり、新しい薬品やパスタのネーミングやコピーを考えて下さいとお願いして比較するという実験を行っています。

その結果、やはりADHD の人の方が創造性が高い絵を描いたりクリエイティブなキャッチコピーを作ることができたということです。
研究チームによると、ADHD 特有の強みを伸ばすことを考えて、そのためのサポートを行えば、個人も組織も ADHD の人からメリットを得られる可能性が高くなるということです。
ですから、事務作業や一点に集中する作業は得意ではないけれど、停滞している組織が次に進むためのイノベーションを起こしたりするためには必要な場合も多いですし、有名な経営者がハリウッドスターの中にもADHD をカミングアウトしている人は結構います。この人たちはクリエイティブなことをすることによって新しいビジネスで成功したり、その創造性を表現力として生かしているわけです。

デメリットを超えるメリットを!

もちろん、ADHD の人は周りの人ができることができないということで悩むことも苦労することも多いとは思います。ですが、その人にしかない才能があります。その才能を伸ばすことができたら、ADHD の人が持つデメリットをはるかに超えるメリットを生み出すことができるのではないかということを研究チームも言っています。

そのような意味では、自分の苦手な部分を補ってくれたり適切な助言をしてくれるパートナーが必要だということと、集中力を鍛えたり先延ばしを防ぐための技術を普段から練習し身につけておくことができれば、みんなが思っている程のADHD の人のデメリットだけが強調されてしまうような人生にはならないと思います。

先延ばし克服法

今回は、ADHD の人にもそうでない人にも役に立つ先延ばしの克服法についても紹介しておきます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の専門家であるRoberto Olivardia博士が提唱している八つの先延ばし克服法があります。
ADHD の人は今やるべきことかそうでないかという二つの視点で物事を見ています。優先順位を考えるというのではなく、今どうしてもやらなければならないことであればできるけれど、別にいますしなくてもいいということについては先延ばししてしまうようになります。今やるべきことかそうでないかという判別が、本当にギリギリにならないと行動を起こそうとしません。
ですから、逆に言うとタスクの緊急性をわかりやすくしてあげればADHD の人でもやるべきことをちゃんとできるようになるのではないかということをこの方は言っています。

スモールゴールを設定する

目標を小さく切り分けることによって、今やらなくてはいけないことが明確になります。
例えば、1ヶ月後が締め切りの仕事をしないといけないとなった時に、一か月先というとかなり先だと感じるので、ADHD の人でなくてもそんなに急がなくてもいいかと考えてしまうと思います。
そんな時は、一か月で稼働できる日数を25日と考えたら、やるべきタスクを25で割って1日にやるべきことを明確にしてください。

アプリを使う

できるだけ見やすいTo do アプリなどを使って、ゲームのような感覚でタスクを一つずつクリアしていくというようにすると効果は高くなります。

本当に楽しいタスクに集中する

目標とは関係のないタスクや満足感や達成感を感じられないタスクというものも誰でもあると思います。それが本当に自分の人生にとって必要かということを常に考えて、必要がないのであれば他の人に任せてしまおうという方法です。
これはよく ADHD でも成功している経営者なども使っている方法で、皆さんが起業したりする場合に、サポートしてくれるパートナーがいた場合には使える方法です。

先延ばしした後の感覚を想像する

これは ADHD でない人もとても使えるものです。
今何をするべきかではなく、今目の前にあるやるべき事を先延ばししたらどれぐらい嫌な気分になるかということを考えてください。そうすると行動しやすくなります。

とりあえず15分だけやってみる

とりあえず手をつけてみることによって、今やらなくてはいけないという感覚が強くなります。
これはとりあえず15分というのが長いと感じる場合には、とりあえず30秒だけやってみようぐらいでも結構です。短時間でもいいので手をつける癖をつけることが大事です。

自分が最も集中できる時間帯を見つる

自分がやるべき事をする時間帯とゆっくりする時間帯を切り分ける方法です。

タイマーを使う

タイマーを使って15分や30分だけは目の前のことをやろうと取り組むようにしてみてください。

ルーティンを作る

あらかじめ1日にするべきことのルーティンを作っておいて、それを順番にこなしていくという方法です。
手順を決めることができるものは徹底的に手順を決めておいて、習慣化するようにしてください。

なかなか集中力がないとか先延ばししがちだという方は、ADHD の方でなくても効果はあると思いますので、ぜひ試してみてください。
感じた人もいるとは思いますが、 先延ばしに効果があるとされている上記のテクニックは結構当たり前のようなものも多いです。
多くの人が使っている先延ばしのテクニックや集中力を上げるテクニックというものは、ADHD の人にも使えるものですし、多くの人が効果を得られるものだということです。
ぜひ参考にしてみてください。

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