この知識はこんな方におすすめ
- 自分は内向的だと思っている人
- 内向的な人が身近にいる人
内向型人間の3つの間違い
今回は、内向型人間にまつわる3つの嘘について解説したいと思います。
あいつは内向的だと言われる人もいれば、自分は内向的なので・・・というようなことを言う人もいますが、内向型人間は結構誤解されることが多いです。
今回は、世の中でよく言われる「内向型人間は〇〇だ」という〇〇の部分が実は嘘だという話を解説させてもらいますので、自分は内向的だと思う人であれば、実際には自分にネガティブな部分はなく今まで自分が考えていたのは単なる思い込みだったのだと気づいてもらい、そこから自分自身の価値により気づくことができるようになるはずです。
これは、逆に外向的な人から見たら、内向的な人に対しては一緒にいても盛り上がらないし誘っても微妙だと考えることもあるかもしれませんが、内向的な人間にはこのような能力があるということが分かれば、そこから上手に付き合うことができるようになるかもしれませんし、仕事の関係や同僚や部下で内向的な人がいるというのであれば、その内向的な人を上手に使って自分の立場を上げるということもできるようになるはずです。
今回はそんな内向型人間にまつわる3つの嘘についてです。結構意外なものがありますので参考にしていただけたらと思います。
間違いその1 :「内向的な人はシャイである」
まず1つ目のポイントとして、「内向的な人はシャイである」というのも嘘です。
そもそも内向的というのとシャイというのは意味が違います。
もちろん、内向的な人がシャイであるという場合もありますが、これらは全く関係のない別のことです。
皆さんもなんとなく想像つくように内向的な人というのは物静かなことが多いです。
あまり言葉を発することがありませんし口数も多くはありません。
そして、質問されたり何か言われた時に、それに対して言い返すスピードも遅いということもあります。
そうなると、あまり喋らないし喋るまでの時間も長いので、恥ずかしがっているとかシャイな人なのかと周りが思い込んでしまうということがあります。
そして、周りにそのように思われることによって、その内向的な人自身も自分は喋るのが得意ではないと思い込んでしまうということが起こります。
実は、内向とシャイはその原因が違います。
内向的な人というのは、喋る前によく考える傾向があります。それによりシャイに見えるだけということがさまざまな研究によりわかっています。
つまり、内向的な人は話しかけられたり質問された時にじっくり考えて、外向的な人のように勢いで答えたり反射的に返事をしたりしません。
内向的な人はじっくり考えてから話したり、周りの人がいろいろと話している時にも一歩引いてそれをじっくり聞きながら考えています。
その考えている時間が喋っている時間よりも長いので周りからはシャイな印象を持たれてしまうだけです。
内向型人間の研究者で有名なスーザン・ケインさんも、内向的というのとシャイというのは違うものだと言われています。
内向的な人は外から入ってくる過度の刺激を避ける傾向があります。
ですから、周りからいろいろと言われたりするよりも自分の頭で考えて結論を出すことに長けています。
周りからの余計な刺激をカットしようとするのが内向的な人の特徴で、シャイというのは社会的な拒絶への恐れが作り出すものです。
ですから、自分が何か発言することで、それが拒絶されたり否定されるのを恐れるためにシャイな状態になります。
つまり、自分が何か発言すると否定されるのではないかと恐れている人がシャイの人です。
内向的な人は、ちゃんと考えているがゆえに余計には喋らない人です。
このように考えると、例えば会議の中で言いたいことがあるけど言えなかった時や会話に入れないという時に、内向的な人はその間もずっと考えていて、考えたけれど別に言わなくてもいいと思う時もあるでしょうし、ずっと考えていて切り口の鋭い発言をして周りを驚かせるような時もあると思います。
これが内向的な人です。
そうではなく、こんなことを言ったら嫌われるのではないかとかバカにされるのではないかという反応を恐れることによって発言ができないというのがシャイな人です。
ですから、内向的な人がシャイだというわけではありません。
もちろん、内向的でかつシャイだという人もいますが、内向的な人が必ずしもシャイだというわけではないということです。
間違いその2 :「内向的な人は喋るのが下手」
2つ目のポイントとしては、内向的な人は喋るのが下手というのも間違いです。
内向的な人は考えているので喋るのが下手なのではないかとよく思われますが、僕も内向的ですがかなり喋る方ですし、お笑い芸人の方でも普段はとても喋るのが上手いのに実は内向的だという人も少なくありません。
外向的な人の方が人前でも上手に喋れることができるようなイメージがあると思います。
他人の前でも緊張することなく上手にし喋ることができるような感じがしますが、実は、内向的な人も同じくらいかそれ以上にスピーチがうまいということが分かっています。
内向的な人の方が先ほど紹介したとおりじっくり考えますので、本番前に入念な準備を行ったり原稿を書いたり練習をする傾向が高くなり、結果的に良いスピーチを行う確率は外向的な人よりも高いということが分かっています。
外向的な人はその場の雰囲気やアドリブでするとうまくいくということもありますが、皆さんがもし自分は内向的だと思うのであれば準備に時間をかければいいだけです。
本番の一発勝負で挑んでしまうと外向的な人には負けてしまいますが、入念に準備をしたりじっくり考えて練習したりすることによって良い結果を出すことができます。
外向的な人は本番で勝負を挑んでいるだけで、内向的な人は準備に時間をかけて勝負を挑めばいいだけです。
それは戦い方が違うだけでそれぞれに合わせた能力の活かし方があるということです。
間違いその3 :「内向的な人は外向的になれない」
そして、3つ目の誤解としては、内向的な人は外向的になれないというのも間違いです。
外向的になれないから内向的な人なのではないかと考える人が多いと思いますが、実は、内向的な人も外向的になれます。
正確に言うと、人間というものは内向と外向にはっきり分けることができるものではありません。
例えば、鉄道が大好きな内向的だと言われるオタクの人がいたとします。
大勢が参加している飲み会や合コンなどに行くと、自分は内向的だから喋るのも苦手だと思い込んで実際にほとんど喋れなかったりしますが、同じように鉄道が大好きな人たちが集まる場に行ったらすごい勢いで喋ったりするという人もいると思います。
これは自分が好きなことを目の前にしている時には、自分が内向的だとか外向的だとか考えていないからです。
自分が好きなことをしている時に自分がどんなタイプだからなどは考えず行動しているはずです。
そもそも内向と外向というのは連続した概念であり、極めて内向的な人と極めて外向的な人の間にグラデーションのようにして僕たちは存在しています。
ですから、綺麗に分かれるのではなくグラデーションのようになっていますので、その真ん中のあたりに位置する両向型の人もいて、このゾーンにいる人は結構多いです。
この両向型の人は、内向と外向のいいところをそれぞれとっているので、商売がうまい人と言われると外向的な人をイメージするかもしれませんが、実は、一番商売がうまいのはこの両向型の人たちです。
時には内向的になったり時には外向的になったりと切り替えが上手な人が一番商売がうまくなります。
ですから、自分は内向的だと思っている人でも、自分が得意なことや自分が自信があることであれば外向的になれるというのであれば、それはどちらかと言うと両向型の可能性があるということです。
自分がもしかすると両向型なのかもと考えて行動するようにすると、変に内向的だから喋れないというような思い込みに繋がらないので、ぜひ自分はその両向型である可能性もあると考えるようにしていただけたらと思います。
そして、自分の得意なことに関しては内向的な人も外向的になれるという考え方もありますので、自分の得意なジャンルや得意な例えを使うようにすれば外向的になることはできます。
内向的な人はそのようにして一時的に自分を外向的な方向に持っていくというのもいいのではないでしょうか。
今回はそんな世の中でよく言われている内向的な人の3つの間違いについて解説させてもらいました。
自分を内向的だと思っている人、または、内向的な人が近くにいるという人は役立てていただけたらと思います。
自分の子供が内向的だと心配している親御さんもいるかもしれませんが、どちらかと言えば内向的な人の方が物事をコツコツと続けたり集中力が高いという研究もありますので、内向的だからといってそれを悲観的に考える必要はありません。
自分がどちらかということよりも、どのように活かすかということに時間を使っていただけたらと思います。
内向的な人も人と繋がる技術を身につけるためのおすすめ
内向的な人にも苦手な部分がありますが、その苦手な部分だけは技術で補えばいいだけです。
内向的な人が苦手なのはやはり社交力で、この社交は当然技術であり、人と繋がる能力というものはやはり人生の満足度を高めてくれるものですし、仕事での成功を左右するものでもあります。
そんな人とつながるための技術だけは持っておけばいいと思います。
内向的な人に読んで欲しいおすすめ本
今回のおすすめの本としては、内向的だと思っている人には特に読んでもらいたいおすすめの本を2冊紹介しておきます。
こちらは先ほどのスーザン・ケインさんの本ですが、内向的な人には特に読んでもらいたい素晴らしい本です。
内向的な人が、ただあまり喋らないというだけで組織の中で貶められたりパワハラの対象になってしまうということもよくあります。
いわゆるリーダー論として、なぜ悪い奴が上の地位に立つというようなことが起きるのかという疑問に対して答えてくれて、その対策についても教えてくれる本です。
なぜあんな奴が自分よりも上なのかとか、どうしてあんな奴が調子をしているのだとフラストレーションを抱えてしまうという方は、この本を読んでもらえると対策を考えることもできますし理解もできるので多少フラストレーションも和らぐと思います。