この知識はこんな方におすすめ
- 失敗が怖くて挑戦できない
- 毎日忙しく頑張っているのに人生がいつまでも開けない
MBSR(Mindfulness Based Stress Reduction:マインドフルネスストレス低減法)
今回は瞑想に関してになります。
瞑想は続けることが大切になりますが、一定の効果が出るまでにどれくらいの時間がかかるのかということが気になったり、どこから始めればいいのかがわからないという人も多いと思います。
いきなり、お坊さんがしているようにただ座って無心になるというような瞑想から始めてしまうと挫折しやすくなってしまいます。
前回は皆さんが瞑想を始めたくなるように瞑想のメリットについて解説させてもらいました。
瞑想の様々な効果についてはこちら
今回は、瞑想を始めて自分のメンタルを変えたり性格を変えたりということができるぐらいのレベルまで続けようとした場合に、どのようにそのプログラムを組み立てて行えば、皆さんが実際に実感できる効果を得ることができるのかということを解説したいと思います。
もともと瞑想には仏教などの宗教的なルーツがあるわけですが、それにどうやら科学的なメリットがあるのではないかと考えられ、最初は慢性痛の治療の方法として始まったそうです。
原因不明の慢性痛がある人は分かると思いますが、これはなかなか辛いものでそれを完治させることもできないので受け入れるしかないということもあり、その痛みから感じる感覚を変えるために瞑想のプログラムとして始まったのがMBSR(Mindfulness Based Stress Reduction:マインドフルネスストレス低減法)と言われるものです。
これがうつ病の対策などにも効果があるのではないかと言われ始め、今では多くのビジネスマンであったり集中力を必要とする人たちが使っている状況です。
ですから、ルーツとしては宗教的なところにある瞑想を科学の力を使い治療法として確立したものが、MBSR(Mindfulness Based Stress Reduction:マインドフルネスストレス低減法)になるということです。
これ自体は治療でも使われるものではありますが、僕たちが自分の人生をより良くしようとかストレスに強くなろうとかするためにも使えますし、人生には様々な苦難がありますので、それを乗り越えていくためのメンタルを作るために使えるものです。
今回は、そんな世界で最も有名な瞑想プログラムであるMBSR(Mindfulness Based Stress Reduction:マインドフルネスストレス低減法)について紹介させてもらい、約8週間の瞑想トレーニングによって、皆さんが人生の困難に立ち向かうためのメンタルを手に入れたり、不安や心配事に強くなったり集中力を高めること活用いただけたらと思います。
注意集中力というものが瞑想の醍醐味でありMBSRによって鍛えることができる力です。
この注意集中力を鍛えておけば、例えば、勉強をしようと思った時に余計なことが気になったりすることなく自分の注意をその勉強一点に向けることができるようになります。
変えられない過去への後悔に・・・
過去のトラウマを引きずっていたり、過去の大きな後悔のために前に進むことができないという人も結構いると思います。
何かに挑戦したりしたいと思っても過去の失敗が頭によぎってしまい、それがなかなかできないという人もいると思います。
このような人も注意集中力を鍛えることによってその状況を変えることができます。
例えば、何かに挑戦したいのに勇気が湧かない人であれば、目の前の挑戦するべきことよりも過去の失敗の方に注意が向いているから挑戦することができないとなってしまうわけです。
自分の過去の失敗の方に注意が向いているために、目の前のことに集中できないので挑戦するのも怖くなるし、実際にしようとしても失敗しやすくなるということが起きてしまいます。
未来への漠然とした不安に・・・
逆に、過去への後悔というものはなくても未来への不安で行動できないという人もいると思います。
例えば、今のブラック企業から抜け出せないといけないとはわかっているけれど、もしこの会社を辞めてどこにも就職することができなかったらどうしようかと不安になり行動することができないとか、独立して起業したいけれど収入が落ちたらどうしようかと不安でいつまでも行動できない、あるいは、気になる相手がいるけれど告白して断られ関係が悪くなってしまったらどうしようかといつまでも気にしてしまうというように、実際に起こっているわけでもないことを僕たちは勝手に想像してそちらの方に自分の注意を持っていかれているということがよくあると思います。
これも全く同じで、実際に起きているわけでもない未来に対して注意集中力を持っていかれているので、それによって今行動することができなくなるし、仮に行動できたとしても中途半端な注意集中力で目の前のことに取り組んでしまうので、それは当然ですが余計なことを頭の中で考えているわけですから普段よりもパフォーマンスは下がり、それにより失敗しやすくなるということもあります。
人が抱える問題のほとんどは「注意集中力」の問題
ですから、僕たち人間が抱える多くの問題というものは、この「注意集中力」の不足によって起きるものです。
過去の後悔や未来の不安など様々な所に注意が分散してしまい、それにより本来のパフォーマンスを発揮することができていないということになるか、注意集中力が余計なところに持っていかれているので過去の失敗にとらわれたり未来の起きてもいない失敗の恐怖にとらわれたりということが起きてしまうわけです。
このような状況をなくすための方法がマインドフルネスという考え方であり、瞑想を通じて鍛えることができる注意集中力という力で、ブッタが目指したものであり僕たちがこれから目指していくものです。
瞑想と言われると仏教のイメージが強い人も多いでしょうし、MBSRというのも仏教的な瞑想が基本にはなっていますが、仏教が生まれる前から瞑想というものはありました。
もっと昔から宗教的にも文化的にも瞑想という考え方があったわけです。
ですから、世界では様々な文化の中で瞑想に近いようなものが色々とありますが、そんな中でも科学的な要素を取り出してくれたのがMBSRになります。
まずは日々の生活の中で「呼吸を意識する時間」を!
まず最初に僕たちがするべきことは呼吸を意識することです。
いきなりよく皆さんがイメージするような座って行うようなことから始めなくても構いません。
瞑想しようと思っても5分や長くても10分ほどしか続かないという人も結構いると思いますが、このような人は、日常生活の中でふとした時に自分の呼吸を意識するということを行ってみてください。
僕が最初にこれをした時には Apple Watch でアラームをセットしました。
今では Apple Watch 自体に呼吸の機能がありますが、自分でアラームをセットするのであれば、例えば、朝起きた時とお昼ご飯を食べる時などで1日に5回から6回ほどタイミングをセットして、アラームが鳴ったら自分の呼吸に注意を向けるということを3分ほど行うようにします。
自分の肺の中に息が入っていきそれがまた抜けていくという感覚に注目する3分ほどの時間を5回から6回程度を設けるようにしてください。
これをしていただけると呼吸に注意を向けるのが気持ちいいということに気づくことができます。
漠然とした不安が僕たちを駆り立ててしまう!
ぼんやりとして何もしていない時間は意味のない時間だと考えてしまい、少し暇な時間ができたらスマホを開いて LINE をチェックするという人も多いのではないでしょうか。
特に見たい映画があるわけでもないのになんとなく Netflix を見るとか、ただぼんやりしている時間がもったいないから YouTube を見るとか、時間が空いたらそこを埋めなくてはいけないと多くの人は考えてしまいます。
これは僕達が常に漠然とした不安に駆り立てられているという証拠です。
僕たちが自分の人生に満足を感じていて余裕を持って生きることができているのであれば、ぼんやりする時間も重要だということが分かるはずです。
例えば、今はなかなか旅行にも行きづらいという人も多いとは思いますが、リゾートに行って波打ち際でぼんやりと座っていると誰でもとても気持ちいいのではないかと思います。
ところが、日常生活の中ではこれができないわけです。
この何もしない時間に耐えることができない人が特に現代では増えています。
暇になったら自分の呼吸に注意を向けて、3分間ほど自分の息が出たり入ったりすることを意識するだけで注意集中力を呼吸に向けることができて、これをするだけでもかなりリフレッシュするということを実感できるはずです。
2分とか3分の間自分のリラックスした呼吸に注意を向けるだけで、僕たちのストレスはかなり軽減されるということが分かっているのに、このたった2分や3分の時間であっても、その時間が空いたら LINE を開いたり YouTube を開いたりしてしまうわけです。
生産性を高めるためには一瞬でも時間を無駄にしないことが大事だという人もいますが、本当に生産性が高い人は仕事が一瞬で終わるので逆に時間に余裕があるものです。
満たされている人は余裕があり余っています。
ですが、生きるのに余裕がない人はとにかく不安なわけです。
これからの人生が不安だとか人間関係が不安だとか仕事が不安だとか、不安を抱えているために何かをしていないと自分が何かを無駄にしている感覚になり耐えることができません。
時間を少し無駄にするだけでチャンスを逃してしまっているのではないかと考えてしまいます。
これは SNS 中毒も同じで、自分が SNS をチェックしていない間にSNS で面白いことが起きてしまうのではないかと不安を感じて常にチェックしないと気が済まない状態になってしまうわけです。
漠然とした不安により「何かしないと・・・」と
もちろん、今目の前に起きている不安に対して対処するというのはとても大切なことではあります。
今目の前にある不安や実際に起きている問題に対処することは大事ですし、注意集中力をその目の前の不安や問題に向けることはとても大切なことですが、ほとんどの人がその場に存在するわけでもなく向き合う必要もない漠然とした不安に駆り立てられて、その結果とにかく何かしないといけないと考えてしまいます。
その結果として余計なことをしてしまったり、何も生み出さない無駄な時間をただ浪費してしまうということにつながります。
ですから、僕たちはひたすらその不安に駆り立てられているだけです。
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皆さん毎日忙しく仕事をしていると思います。
通勤の電車の中でも仕事の準備をして、朝から晩までいろいろな仕事をしていると思いますが、それで何を得ることができているのかということを一度立ち止まって考えてみてください。
それにより給料を得ることができているという人もいると思いますが、それは本当にそんなに息つく暇もないほど行動しないと得ることができないものでしょうか。
そのひとつひとつの行動や作業に本当に無駄なものはないのでしょうか。
そんな人生をこのままずっと送っていて本当に皆さんはいいのでしょうか。
それでも止めることはできないのは不安だからです。
この漠然とした不安をなくすために役立つのが注意集中力の考え方です。
漠然とした不安を感じるのは注意集中力をコントロールすることができていないというだけです。
どこに自分が注意を向けるべきなのかということが分からなければ、自然と身の回りに無数にある漠然とした不安に引っ張られてしまいます。
たくさんの不安がありその不安に皆さんの注意集中力は奪われているわけです。
人生を変えたいのであれば・・・
今日も何かと忙しく過ごすのだと思います。
先週も忙しかったでしょうし来週も忙しいと思います。1年経ってもきっと忙しいのだろうと思います。
5年後には仕事は変わっているかもしれないけれど、それでもやはり忙しいでしょう。
ですが、それは自分で選んだ忙しさでしょうか。
自分の注意や集中や限られたリソースを本当に向けたいと思っていることに対して向き合うことができているでしょうか。
何日も何日も同じような仕事を続けて皆さんの人生の重要な問題は解決したでしょうか。
つまり、僕たちはどこに注意を向けるのかということをコントロールしないと、漠然とした不安に駆り立てられてしまい、効果がない何かをしたくなってしまいます。
それに時間と注意力を奪われることによりどんどん人生は本来望んでいた方向とは別の方向に進んでしまいます。
これが僕たちの人生にマインドフルネスが必要な理由です。
僕も実際にテレビに頻繁に出ていた頃に、ある時それまで毎日でも読書をしていたいほど本が好きだった僕が本を読めなくなっていたことに気づきました。
長い間本を読むことができなくなっていました。
それまではゆっくりと1冊の本と向き合うことがとても大好きでした。
ページの終わりが近づいてきた頃には、終わってしまうのが残念でもっと続いてほしいと願いながらその本を読んでいるほどでした。
ところが、テレビやいろんな仕事で忙しくなってしまいあらゆるところに注意が持っていかれるようになると、そもそも何のためにテレビに出ているのかも分からないし、とにかく目の前に来た仕事をこなしているだけというようになってしまいました。
その先に自分のやりたいことがあるとか夢があるというのではなく、目の前に仕事が来るからただそれをしているだけの状態になっていることに気づきました。
そんな時に、たまに休みを取ることができたので本を読もうと思っても本を読むことができませんでした。
本を読み始めても、すぐに来週のテレビ出演のパフォーマンスはどんなのだったかなとか考え始めてしまいました。
次に書く本の内容はどんなのだったかなとか、頭の中で様々なことがめぐり始めて本の内容は全く頭に入ってきません。
一日中でも本を読んでいたかった本を好きな人間が、何度も何度も同じ行を読み直していたり全く頭の中に入ってくることがありませんでした。
こんなにも余計なことに注意集中力が奪われてしまい目の前のことに集中することが出来なくなっているわけですから、仕事で成功するはずもありませんし人間関係でも苦しくなって当然です。
人間関係でも、当然ですが目の前の人に注意を向けることができていないだけでなく、頭の中では他の人のことや余計なことばかりを考えているわけですから、人間関係を作ることもできるはずはありません。
そこから僕は注意集中力というものが大事だと気づき瞑想を始めました。
これは徐々に始めてもらいたいですが、途中から確実に頭の中で余計な事が巡ることがなくなることに気づくはずです。
そうなるとこんなにひとつのことに集中したのはいつのことだっただろうかと思い始めるでしょうし、本を読む力も身に付きます。
世の中ではよく活字離れが問題視されますし、なかなか本を読むことができないという人も多いと思いますが、これは単に注意集中力の問題です。
本を読むことはできないのにゲームであれば夢中になっているということもあるでしょうし、やることが色々たくさんあって忙しいというのにYouTube や TikTok で1時間時間を無駄にしてしまうということも結構あるのではないでしょうか。
ぜひ皆さんには注意集中力を高めてもらい目の前のひとつの事に集中することができるようになってもらいたいと思います。