一度読んだ本を忘れない方法を話します

学習法・記憶法

この知識はこんな方におすすめ

  • 読んだ本の内容を忘れないようにしたい
  • インプットした知識を使えるようになりたい

読んだ本の内容をいつでも使える記憶に!

今回は、一度読んだ本の内容を忘れないようにするための方法について紹介したいと思います。

質疑応答で聞かれたことにどんなことでも即答できることに不思議がられることがありますが、これは復習の仕方をちゃんと知っているからです。
本を読むときにあることをするだけで、その本の内容が記憶に残る確率を圧倒的に上げることができます。
しかも、これはほとんど時間もかからない方法です。

皆さんは読んだ本の内容を忘れてしまいますか?
本を読んだ後に、どんな内容だったのか質問されたとしたらどこまで答えることができますか?

僕も昔は本を読んでも結構忘れる方で、気になったらその都度調べたりしていました。
忘れた時にそれをすぐに調べるのは今でも癖にしていますが、最近は読んだ本の内容は結構頭に残っていて、必要に応じていつでも取り出すことができるようになりました。

基本的に情報というものはただ覚えるだけではなく、覚えた上でそれを使いこなすことができるようになると、いつでも必要に応じて臨機応変に取り出すことができるようになります。
相手から言われた質問や自分が直面した問題に対して、必要な答えをすぐに返すことができるようになり、ここまで出来るようになると記憶というものは定着していると言えます。

学生の頃を思い出していただけると、学校のテストの前には問題の答えは覚えているけれど、テストが終わった1ヶ月や2ヶ月先となるともうすっかり忘れているということもあったのではないでしょうか。
大人になって学校で勉強したことを全く覚えていないという人も多いと思います。

これがどれだけ自分のものになっているのかという意味で記憶が定着しているかどうかということになります。
では、そのためにはどうすればいいのでしょうか。

40秒間の復習をするだけで?!

今回参考にしているサセックス大学の研究によると、何かを覚えた直後に40秒間復習をするだけで記憶の残り方が段違いになるということが示されています。

これはどんなに物覚えが悪くて忘れっぽいという人でも使える方法です。
この研究では、参加者を集めて26本の YouTube の動画を見せる実験を行っています。この動画を見せる時に2つのパターンに分けて、記憶の保持率がどれぐらい変わるのかということを調べています。

グループ1 :復習パターン

動画を見た後に、40秒間動画の内容の細部を思い描く、または、声に出して説明する

グループ2 :復習パターン

ただ動画を見るだけで特に何もしない

この2つのグループに分けています。

これを行った2週間後に全員に記憶テストを受けてもらいました。
その結果、ただ動画を見ただけのグループはその内容をほとんど思い出すことは出来ませんでした。
これは当然だと思いますが、皆さんも2週間前に見た YouTube の内容を言える人はほとんどいないと思います。

一方で、たった40秒だけでも動画の内容の細部を思い描くか声に出して説明するということを行っていたグループは、かなりの詳細なディテールと要点を2週間経っても思い出すことができたということです。

ですから、本を読んでいて覚えていたい内容があったとしたら、本を一旦閉じて頭の中で40秒ぐらいかけてその内容をまとめてみてください。
あるいは、ほんの40秒ぐらいでも構いませんので誰かに説明したり、説明しているつもりで声に出してみてください。
これをするだけで記憶への定着率は全く違ってきます。

復習をしないと記憶は次々と書き換えられる!

この研究で同時に行われているMRI を使った実験では、参加者の脳内をスキャンしてみたところ、40秒間の復習を行った場合には脳内の後帯状皮質というところが活性化していたということも分かっています。
この後帯状皮質は記憶や学習に非常な役割を果たしている部位で、アルツハイマーの患者さんは後帯状皮質がダメージを受けていることも結構多いそうです。
その後帯状皮質が活性化するということは、40秒の復習というものは記憶の定着にかなり役に立っているのではないかということが考えられます。

これは研究者もいわれていることですが、僕たちの記憶というものは短期記憶ではなく長期記憶にちゃんと保存されないと、新しい記憶は定着することなく次々と消えていきます。
この研究では、そんな長期記憶にするための非常に簡単な方法として、わずか40秒間の復習をするだけでも2週間近くも複雑な情報や物事の詳細を記憶しておくことができるということが分かったわけです。

実際に脳の中の記憶を司っている部位も活性化しているわけで、これは最も短時間で手軽にできる脳に記憶を残すための方法だと思います。

ぜひ皆さんも復習しながら効率よく読書を!

ちなみに、僕の場合には本を読んでいて都度その章ごとにその内容をまとめようというようなことはせず、自分が面白いと思ったり誰かに教えたいと思うような内容があった時に、一旦その本を閉じて、その内容をスマホのマインドマップなどにまとめたりしています。
この一旦本を閉じるということがポイントで、本を見ながらまとめては復習にはなりません。
本を閉じてまとめながら思い出すことができなかったらもう1度本に戻ったりします。

自分が覚えておきたい情報があった場合には、その部分の内容を一通り読んだ後に一旦本を閉じてメモしてみるということをして頂けると、それだけでもかなり脳への記憶の定着率は変わります。
これはあくまで記録するためではなく記憶するための方法です。

僕は本は Kindle で読むこともありますがスマホで読むことも多いです。
スマホは1台しかなければ当然ですが本を見ながらマインドマップに記録することはできません。
そうなると、スマホで本を読んでいるとどうしても一定量読んだあとにメモしようとすると本を閉じる必要があります。

紙の本で読む時もこれと同じようにしてください。
覚えておきたい内容があった時には一通り読んだ後に一旦閉じてから、スマホやノートにまとめてみてください。
それだけで40秒の復習をするのと同じことになります。

ですから、自分が大切だと思った内容をノートに取るという時も、そのもとになる内容を見ながらノートに取るよりも、それを見ずに思い出しながらノートに取るということをした方が同じように復習の効果を得ることができると思います。

こんな些細なテクニックも愚直に実践すると、情報をかなり記憶に残すことができるようになります。
皆さんも本を読むときにはこの40秒の復習を習慣にしてみてはいかがでしょうか。

科学に基づく読書法を解説

本を読むときには内容を記憶に残したいという人もいれば、途中で飽きてしまいなかなか最後まで読み通すことができないという人も結構多いと思います。

本というものは、別に一番最初から最後まで全て読み通さなくても大丈夫です。
普通に最初から1ページずつ読まなくても、本の内容の要点を頭に入れる方法や効率よく早く読むための方法はあります。
本を早く読むと言っても、巷でよく言われるような目の運動のようなことをすることで本を早く読むことができるというインチキな速読のことではありません。

そういうことではなく、自分にとって必要な情報だけをピックアップして本を読むための方法を僕は「探し読み」と呼んでいます。
これをマスターして頂けると、本を読んだ後の復習の時間も考えても、おそらく今までと比べて1/3から1/5ぐらいの時間で本を読んでその内容を頭に入れることができると思います。
ただ本を読むとどうしても内容を忘れてしまうことはありますが、この読書術では一度読んだ本の内容を忘れないようにするための工夫もされています。
これはかなりおすすめの内容ですので是非使っていただけたらと思います。

読書にまつわるおすすめ本

読書術に関するおすすめの本も紹介しておきます。
最も参考になるであろうおすすめの本を挙げるとしたら、やはりこちらの本です。

読書家の方が書いた本は僕もかなり参考になり、昔読んだ時に僕もこんな本の読み方をしたいと思い実際に取り入れた部分もあります。

科学的に正しい本の読み方について研究をベースにまとめたという結構珍しい内容の本です。
本の読み方を科学している本はそんなにないと思いますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

効率よく知識を頭の中に入れるにはどうすればいいのかということを解説していますので、もちろん本を読むときにも使うことができますし、資格の取得のための勉強をするときにも使える内容になっています。