読んだ本忘れない【読書ノートの書き方】

学習法・記憶法

この知識はこんな方におすすめ

  • 読書が苦手
  • 読書の理解力を高めたい
  • 得た知識を実際に使えるようになりたい

大人のための読書感想文

今回は大人のための読書感想文について紹介させてもらいます。
子供の頃に皆さんも読書感想文を書かされた記憶があると思いますが、大抵の読書感想文で指定される本はあまり面白くないと感じて、本を読むことが嫌いになってしまう人がいると思います。
興味を持てる本は人それぞれなので、好きな本を読んで好きな読書感想文を書けばいいような気がしますが、それを言っても仕方がないので、今回は読書感想文の書き方についてです。
むしろ大人も読書感想文を書いた方がいいのではないかという研究がありましたので、そんな研究ももとに解説させてもらいます。

読書ノートを書いたりメモを書いたり、大事だと思うところに線を引いたりぐらいのことはする人も結構いると思います。

読書をした後にその理解度を高めてくれて、読んだ本の内容を忘れないようにしたり、本で読んだ知識を使える形にするためにはどうすればいいのかということについての研究はたくさん行われています。
そんな中でも、ライティング・トレーニングという本を読んだ後にあることを軽く書いてまとめておくという方法があります。
これを書くのはノートやメモ帳でもいいですし、本の表紙をめくったあたりの空いているところに書くだけでも構いません。
これをするだけでもその本の情報に対する理解度が高まり、その内容を忘れにくくなるという方法です。

大人のための読書感想文の書き方としてそんなライティング・トレーニングのメインの部分を紹介させてもらいます。
読書のテクニックについてもっと詳しく学びたいという方は、そんな内容を解説した動画を今回のおすすめの動画として紹介していますので、そちらをぜひチェックしてみてください。

2010年にカーネギーコーポレーションがライティングと読書スキルに関するメタ分析を行ってくれています。
106件のランダム化比較試験(RCT)の論文を集めて、読書感想文や本を読んだ後に本の内容について文章で書くことは読書スキルを向上するのかということについて調べたものです。

その結果、結構効果が高いとされていることがいくつか見つかっていますので、今回はそんな中から3つ皆さんにご紹介します。
おそらくはこの3つだけ大人になってからの読書感想文として実践しておくと良いのではないかと思います。

第3位: 要約

これはよくある方法ですが内容の要約を書くというのもある程度効果があるとされています。効果量としては0.3から0.85ポイントぐらいの効果があるとされています。

ただ、要約にはひとつ問題があります。
学生の頃には要約をする問題を出されたり、子供の頃の読書感想文はわりとこの要約になりがちなところもあると思います。
この要約の効果は年齢が低いほど効果が高いということが分かっています。

ですから、子供たちに本の要約を書いてもらうというのは、読書の理解を進めるためには効果的なわけですが、大人になって読書慣れしてくるとあまり意味がなくなってくるということがあります。

つまり、効果量として最大0.85ポイントありますので、小学生や中学生に対して読書の要約をしてもらうというのはかなり効果が高いわけですが、大人になってくると効果量が最大で0.3ぐらいまで下がってしまうので、大人にとっては本の要約をする意味はあまりないのかもしれません。

第2位: 単語の意味の把握

これは意外と見落とされがちですが、単語の意味の把握というものが読書の理解力を高めるために結構効果的です。

本の中に出てくる専門用語や小説の中に出てくるキャラクターの名前や技の名前など何でも構いませんが、その本を読んだことがある人でなければ説明することができない自分が知らなかった単語をピックアップして、その意味をまとめていくという方法になります。
これはそれだけでも本に対する理解度がかなり高くなるということです。

ですから、本を読むのが苦手な人へのおすすめの読書術としては、本を読んでいるといろいろと専門用語などが出てくると思いますので、その単語とその意味を1行から2行ぐらいでまとめて本の表紙あたりの書き込むことができそうなページやノートなどに書いておきます。

例えば、「群衆心理」という単語が出てきて本を読んでいてその意味が理解できたら、「群衆心理」という単語をそこに書いて、その横に自分が理解した内容を1行から2行程度で書いておきます。

人間は本の内容やストーリーというものを全て覚えているわけではなく、その要所要所を覚えるようになります。
実用書などの場合には新しい概念を知るということが重要になりますので、その概念というものは新しい単語と紐付いています。
ですから、自分が知らなかった単語の意味をまとめるだけでも、その本に対する理解度というものはかなり高くなります。

本の内容を一冊丸々覚えるというのは難しいですが、単語の意味であれば覚えることもできるはずです。
ですから、これが大人のための読書感想文としては良い方法のひとつになります。

僕のお勧めとしては、その単語の正しい意味と一緒に、それをどのように使える気がするかとか何を感じたのかということを軽くでいいので書いておくようにしてください。
これは iPhone などのメモを使ってまとめておいてもいいとは思います。

大人になってから新しい単語に出会うということは、新しい知識や概念と出会うということです。
それをちゃんと記憶に定着させるという意味でも、単語とその意味を書くぐらいのことはしてみてもいいと思います。

この単語の意味の把握については効果量で0.6ポイントぐらい出ていますので、これは結構した方がいい方法だと言えます。
皆さんも大人の読書感想文として、この単語感想文を書くようにしてみてください。

第1位: 疑問に対しての回答を文章で作る

実は、読書感想文というものは一番最初にこれをするべきですが、読書感想文は疑問と答え・疑問と答えという形で構成するのが、人間の理解力を高めるためには望ましいということがこの研究ではわかっています。

何かしらの本を読む時、あるいは、本を読んでいる間に感じた疑問を書き出していきます。
例えば、まず目次を読んで知りたいと感じた疑問や気になった点を書き出しておきます。
自分が感じた疑問を書き出しておいて、それに対する答えを埋めていくという方法です。

つまり、問題集のように本を読むということが実は重要だということです。

漫然とただ本を読んでしまうと、自分がその本から何を知りたいのかということや、その本の中で何が重要でどんなことを頭に入れたいのかということが理解できないまま読み進めてしまうことになってしまいます。

ですから、本を読む前か読んでいる最中に生じた疑問、自分が分からないことやもっと知りたいと思ったことはすべて書き留めておくことが重要です。
それに関する内容が途中で出てくれば、やはりその内容は頭に残りやすくなりますし、宝探しのように読み進めていき、そんな中で答えを見つけたとなるとそれは強く記憶に残ります。

読書感想文というものは読み終わってから書くというイメージがありますが、そうではなく、読む前や読み進めていく時にその本に対する疑問を書き出しておいて、宝探しのように読み進めていきながら読書の楽しみ、それに対する答えとして読書感想文を書くというのが読書に対する理解力を最大にすることができるとこの研究では言われています。

この研究の中では他にも読書スキルを高めるための方法がたくさん紹介されていますが、そんな中でも最も効果量が高いのは、この疑問に対して文章で回答を作るという方法でした。

まとめると、皆さんも理解力を高めたいというのであれば、本を読み慣れていないという場合には要約を書いてもいいかもしれません。
ある程度本を読み慣れている大人の場合には、単語を書き出して意味を把握するということと、その本に対しての疑問を書き出してその回答としての読書感想文を書くということをしていただければ、皆さんと読書スキルはかなり高くなると思います。

ちなみに、僕も本を読む時にはマインドマップに単語感想文を書くようにしていますし、本を読む前には読書疑問文を書くようにしています。
本を読んでいる最中にも、疑問が出てきたり気になった所があったら、それをすぐにマインドマップやノートにメモして読み進めるようにしています。

こうすると、みんなが驚くような知識も自分の中で拾いやすくなりますし、読むスピードも速くなります。
何度も同じ場所を読み直したりする人もいると思いますが、ここに大事なことがあるのかもしれないとかあっちも大事かもしれないと目移りしてしまうことがなくなり、自分が本当に知りたいことに集中することができるようになるからです。

これが大人のための読書感想文の書き方になります。
大人になってからも読書はとても大切だと思いますので、ぜひ皆さんも試してみてください。

読書の理解力をより高めるためのおすすめ

今回は大人のための読書の理解力を上げる読書感想文の書き方について解説させてもらいました。
理解力を上げるという点では他にもたくさんの読書の技術というものがあります。科学的に読書の理解力を上げるための方法が、今回紹介した方法の他にもいろいろとあります。

そんな中でメタ認知読書術というものがあり、これをマスターしてもらえると難しい本でも割と簡単に頭に入ってくるようになります。
本を読むのが苦手だとか読書感想文が苦手だったなという方は、一度このメタ認知読書術を学んでみるのも良いのではないでしょうか。

読書を楽しむためのおすすめ本

今回のおすすめの本としては、読書をより効率的に楽しめるようになるために役に立つ本を紹介しておきます。

世の中でよく言われるような速読というものはほとんどがインチキですし、読書に関してもたくさんの本がありますが、こちらの本は、そんな中でも本当に身につく読書のテクニックを教えてくれる本です。

今回、単語や疑問を書き出して本を読み進めるという方法を紹介させてもらいましたが、これらは自分の思いつきやクリエイティビティがないとなかなか難しいという場合もあると思います。
それがないと単なる作業になってしまい徐々につまらなくなってしまうということもあると思います。

どんなものでも同じですが、物事や自分がすることや自分の行う作業に対しては楽しみを見出さないと意味がありません。
その楽しみを見出すためにはクリエイティブな視点が必要になりますので、そんなクリエイティビティを高めるためにはこちらの本がとてもおすすめです。
さまざまな天才たちの事例が実践的なトレーニングとともに紹介されています。