仕事と勉強がはかどる【ひとり言】の使い方

集中力

独り言でパフォーマンスが上がる

このような独り言は、仕事や勉強、運動のパフォーマンスまで上げてくれるということが分かっています。ただし、方法が大切ですのでそれを今回紹介させてもらいます。

いわゆるセルフトーク、自分に向かって語りかけるような独り言、スポーツでよくあるような自分はできるんだと言い聞かせる独り言に関しての研究は昔から色々とあり、テッサリア大学の研究で、このセルフトークがどれぐらい僕たちのパフォーマンスを改善してくれるのかということを調べてくれています。この研究では運動のパフォーマンスを上げる方法として調べていますが、理屈を考えると仕事や勉強でも使える内容だと思います。

この研究は、過去のセルフトークに関する研究から質の高い32件の研究を集めて分析したメタ分析になっています。
結論としては、効果量は0.43ですので、劇的に変わるというわけではありませんが実践する価値はあるぐらいの効果が見込めるということです。
ただし、重要なポイントがあり、自分がどのようなタスクをこなすかによってセルフトークの方法が変わってきます。

セルフトークの種類

セルフトークは2つのやり方があります。

1. 意欲的セルフトーク

2. 指示的セルフトーク

意欲的セルフトークは、簡単に言うと松岡修造さん的なセルフトークです。自分はできるんだと言い聞かせるような、自分に対して意欲を語りかけるセルフトークです。
指示的セルフトークは、自分の体や自分が意識を向けるべき対象に対して注意を向けさせるテクニックです。目標を見失わないように自分を意識させたり細かいところに目を向けるセルフトークです。
全体的に自分の意欲を高めるための意欲的セルフトークと細かいポイントに注意を向けさせるための指示的セルフトークがあるわけです。

効果が高かったのは指示的セルフトークでした。細い体のポイントなどに注意を向けさせるセルフトークの方が集中力も上がり注意力も乱れにくくなり、プレッシャーにも強くなるよいうことが分かっています。
ですから、例えば、自分が集中したいのであれば、自分の背筋が曲がっていることに気がついたら、背筋を伸ばすことに注意を向ける独り言が効果があるということです。

意欲的セルフトークに関しては、たくさんのスキルを同時に使わないといけないようなことに対しては効果がありました。持久走など細かいポイントを意識するというよりは、自分のテンションを上げる必要があるので、松岡修造さん的なセルフトークが役に立つということです。

どんなスキルが必要なのかということがわかりづらい場合は、意欲的セルフトーク

自分の足りないポイントや注意するべきポイントがわかる場合は、 指示的セルフトーク

スキルが大事なのか?意欲が大事なのか?

自分のやるべきスキルを見分ける事が重要だということです。これから自分が行う行動の種類をよく考えてみてください。自分が行う運動、仕事や勉強に必要なスキルが明確に分かっていて、どのスキルとどのスキルを組み合わせて使えばうまくいくということがわかる場合には、一つ一つのスキルに注意を向けるように指示的セルフトークを使い、逆に、ただ気合や根性が必要だという場合には松岡修造さん的な意欲的セルフトークを使ってください。
スキルに目を向けたい場合には指示的セルフトーク、自分のテンションを上げたり根性を発揮したいという場合には意欲的セルフトークを使えばいいということです。
スキルが大事なのか意欲が大事なのかということを考え使い分けて下さい。

意欲的セルフトークの使い方

自分がやる気を出したい理由は何なのか、自分が良いパフォーマンスを発揮するには何が必要なのか、自分がやる気が上がるものは何なのか、というようなことを考えてセルフトークを行ってください。
自分のモチベーションに繋がるものを考えて自分に語りたければテンションが上がってきます。

指示的セルフトークの使い方

自分がいつも失敗するとこはどこなのか、自分が改善したいところはどこなのか、自分が勉強をするときにいつも注意が途切れてしまうのはどこなのか、そのようなことを考えて、そのポイントに対してコーチがアドバイスするように自分に向けて語りかけてください。

自分に合ったセルフトークをデザイン

自分の必要なスキルについて考えた上で、その内容を書き出しておいた方がいいです。覚えるまではそれを見ながらセルフトークをするのがいいと思います。自分の目的やモチベーションに合ったセルフトークをデザインすることが大事です。

これは要するにメタ認知です。客観的に自分を見たときに自分に足りないのがモチベーションであれば松岡修造さん的な意欲的セルフトークです。自分に足りないのがスキルや特定の技術や注意力であれば、指示的セルフトークとなります。
メタ認知で自分に足りないものを見分けているので、この研究では運動において使われていますが、運動以外にも使えるテクニックだと思われます。ぜひ参考にしてみてください。