幸せになれる仕事とは?
幸せになる仕事とはどんな仕事でしょうか。
多くの方は、お金がたくさん稼げる仕事に就けば幸せになれると思いがちですが、実際にはそうはなりません。
例えば、職場に3人友達がいる職場と友達が誰もいない職場を比べると、給料に対する満足度が3倍も違うという研究があります。つまり、職場に3人友達がいる職場で30万円の給料をもらっていたとすると、誰も友達がいなくてギスギスしている職場で同じ満足度を得ようとするならば、3倍の90万円の給料をもらわないとその差が埋まらないということです。
どのような職場を選べば幸せになれるのでしょうか。あるいは、同じ職場の中でもどのような仕事をすれば幸せになれるのでしょうか。
インディアナ大学の研究で、どのような仕事をすれば幸せになるのかということを調べてくれています。
結論としては、幸せになる仕事はちょっと難しい仕事です。
ちょっと難しい仕事を選ぶ人が最も幸せになるということが分かっています。
これは、知性と幸福に関する研究で、頭の良さと幸せというものはどのぐらい結びつくものなのかということを調べたものです。頭がいい方が幸せにはなれます。
頭がいいほうが幸せになれると言うと、頭がいいほうがお金を稼げるから幸せになるということだと考える人もいると思いますが、そうではありません。
お金を稼げるからではなく、難しい仕事を積極的に選んでいるからだということです。
大事なのは頭の良さではなく・・・
この研究は知性と幸福に関する33件の研究をまとめたメタ分析で、1980年代からの5万人分のデータを集めて、どのような仕事をしている人が幸せになるのか、知性が高い人はなぜ幸せになれるのか、ということを調べた研究です。
この研究によると、知性の高い人の方が人生に対する満足度は高い傾向がありますが、統計的には優位とは言えないぐらいのレベルでした。頭の良さだけで全てが決まるとは言えないけれど、頭のいい人の方が基本的には幸せで仕事に対する満足度は高いということです。
これがなぜなのかということを深掘りしたところ、興味深いことがわかりました。
頭の良さと仕事の満足度が結びついているのは、頭がいいから仕事で成果を出すことができるとか、他の人ができない仕事も簡単にできるという様なことではなく、頭がいい方が難しい仕事に挑戦しているからでした。
人生の満足度と特に関連していたのは、仕事の複雑さでした。
たくさんのスキルを組み合わせて仕事を行なっているか、仕事の負荷が時折高くなるか、自分の進めていくタスクのレベルを自分でどれぐらいコントロールしていくことができるか、この様なことが重要になっていたということです。
要するに、様々なスキルが必要で、自分の頭で考えないといけない複雑な仕事をしている人の方が、やりがいも感じやすく、収入にもつながっているということです。
幸福になる仕事の選び方
ちなみに、この仕事の複雑さと収入に関する影響を調整すると、頭の良さと仕事の満足度には相関は見られませんでした。
つまり、大事なのは頭の良さではなく、様々な自分のスキルを組み合わせて、少し複雑な仕事を選んでいるかどうかだけが、幸福感を左右しているということです。
複雑な仕事で、かつ、そこから収入が満足できる仕事を探すと僕たちは幸せになれるということになります。
色々なスキルが必要で、それを学ぶことができ成長できるのでやりがいを感じて、かつ、それに相応の収入がついてくるような仕事を選ぶと、僕たちは幸せになれます。
楽な仕事を選ぼうとすると、意外と幸せにはなれないわけです。とてもお金を稼いでいるのに、どう見ても幸せではないような人もいるものです。